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【ILC 2016 in Japan】開会セッション:文善進UPFインターナショナル議長がメッセージ

文明、宗教、政治の壁と超えて真に世界平和を語り合える場所を会議は11月16日午後から行われた開会セッションで幕を開けました。冒頭、林正寿・早稲田大学名誉教授が挨拶を行い、英国のEU離脱や米国大統領選の結果、韓国・朴槿惠政権の動向などを例に挙げながら、現代を「不確実性の時代」と表現。その上で、「UPFの創設者である文鮮明・韓鶴子総裁がかねて強調しているとおり、日米韓の協力が今こそ不可欠です」と述べました。また、宋龍天UPF日本リージョン会長は、現在、世界各国でUPF主催によるILCが開催され、各国の国会議員のネットワーク形成に向けた提案が行われていることを紹介。こうした取り組みについて、「文明間の壁や宗教と政治の分断、国益を超えて、真に世界平和を語り合える場所をつくりたいというUPFのビジョンによるものだ」と述べました。文善進UPFインターナショナル議長は記念メッセージで、自身の両親でもある文鮮明・韓鶴子総裁の平和思想とUPFの理念について説明しました。同議長は「UPFでは宗教間の協力、家庭の強化、国連の活動を支援し、紛争の平和的解決と人道支援に向けたソフトパワーによるアプローチを提唱し続けてきました」と述べ、具体的事例として、昨年、未来の人類のために貢献した個人や組織を讃えるための「鮮鶴平和賞」を創設したことを紹介しました。さらに同議長は、世界中で起きているテロやデモ、汚職などが憎しみを助長し、社会や世界の人々の間の信頼を傷つけていることに言及し、今こそ透明性やパワーバランスが必要な時代だとした上で、「私は両親から、自分のためではなく世界のために生きなければならないと学びました。この哲学、この思想は、より高次元のガバナンスを目指しており、右翼でも左翼でもない『頭翼』の思想は、人類一家族の実現と真の愛を中心とした恒久平和を導いてくれるものです」と訴えました。

【ILC 2016 in Japan】セッション1:米国新政権の政策と日米関係の展望

挑戦を受ける民主主義のガバナンスセッション1では「米国新政権の政策と日米同盟の展望」をテーマに行われ、米紙「ワシントン・タイムズ」のコラムニスト、ビル・ガーツ氏が基調講演を行いました。米大統領選の直後であるだけでなく、ドナルド・トランプ氏の勝利という予想外の結果に終わったことを受け、同セッションは国内外専門家、有識者らの関心を集め、会場は満席となる約250人が詰めかけました。講演に先立ち、モデレーターを務めた、国際開発や平和構築論を専門とする元教授は、現代の世界情勢の変化について概観を述べました。その変化として、①アメリカの関心事がロシアから中国に移行②文明間の衝突によりテロ戦争の頻発③100カ国以上が植民地支配から独立——の3点を挙げ、「このような激動の時代に、今回の大統領選挙の結果はトリガー(引き金)になる。日本の選択は根本から問い直されるだろう」と分析しました。ガーツ氏は講演の中で、大統領選を振り返りながら、トランプ氏の勝利について、「(ビル・)クリントン政権の国防スキャンダルが中国の軍事力の増強を招き、現在の安全保障に影響を与えている」と指摘。「米国人の多くは、現在が困難な時であると考えており、彼らもトランプに投票したというよりも、オバマ大統領やクリントン候補への反対票を投じたという印象を持っている」と語りました。また、ガーツ氏はトランプ次期大統領の政策について、「トランプ氏の選挙運動中の発言と実際の政策は分けて考える必要がある。私の経験では、政権は大きなタンカーのようなもので、政策を転換させようとしても簡単にはできないものだからだ」と説明。日本に関する見解の一部を修正していることを例に挙げながら、「慎重に見極めていく必要がある」と述べました。トランプ氏の政治思想についてガーツ氏は、共産主義と闘っていたレーガン政権下の政治システムや、当時の米国の生活スタイルに誇りを持っていると説明。対中国について、「米国はこれまで、中国と貿易を続けていけば中国の共産主義システムに変化がもたらされ、平和的に脅威をもたらさない国に生まれ変わるだろうという発想でやってきたが、実際にはそれが機能していないというのがトランプ氏の立場である」と分析しました。その上で、「中国は米国にとって重要な貿易相手国だが、米国の原則や信念を曲げることはない」「トランプ氏は軍事力の拡大には寛容で、強さを通して平和を築こうとしている」と述べました。また、ソーシャルメディアを活用して行われたトランプ陣営の選挙キャンペーンについては、今後、政治学者らの研究の対象となるような方法だったと評価しました。コメンテーターとして登壇した米シンクタンクの元研究員は、日本には米国の変化が正確に伝わっていないとした上で、「冷戦時代、ポスト冷戦時代には、米国の国土が狙われる危険性はなかったが、9.11以降、米国は国土を狙われる危険性のある国になった。国土が狙われる以上、『アメリカ第一』の予算配分をしてくると思われる」と分析。「これまで米国はTPPを安全保障の観点で見てきたが、トランプ氏は国内問題として捉えている」と指摘し、共和党の変化に注視する必要性について語りました。また、カナダ元国務長官のデビット・キルガー氏は、中国の脅威を訴えながら、「民主主義の統治機構が挑戦を受けている。平和の力によって世界が統治されることを期待する」とコメントしました。

【ILC 2016 in Japan】セッション2:混迷する中東情勢と和平へのプロセス

平和を待つのではなくつくるべきものセッション2では「混迷する中東情勢と和平へのプロセス」をテーマに、イスラエル国会副議長であるイェヒエル・ヒリク・バール氏が講演をしました。バール氏は講演で、イスラエルとパレスチナが抱えている問題について言及。「二国間の葛藤は『対処』ではなく、『解決』しなければならない問題」とし、解決する方法論として、互いの国を国家として認める「二カ国解決策」について説明しました。またバール氏は、学術や産業分野などで交流することの重要性について語った。バール氏は最後に、「平和は特権ではないし、高価なものでもない。平和を待つのではなく、つくらなければならない。これが私たちの義務だ」と強調した。その後、トーマス・ウォルシュUPFインターナショナル会長が、平和構築のためにUPFで行っているソフトパワーによるアプローチについて紹介。宗教間の問題を解決するためには、教義による対話ではなく、共生するための共通項を見つけ出す対話の必要性について言及しました。質疑応答の時間で「アメリカとロシアの対応についてどのように考えているか」と質問されたバール氏は、「イスラエルとパレスチナの問題は両国間で解決しなければならないもの。二国間の解決策のみが唯一の解決策だと信じている。私たちが同意できるように見守ってほしい」と述べ、「人と人とが和解しあえる温かい平和の実現を願っている」と結びました。

【LIC 2016 in Japan】セッション3:緊迫する北東アジア情勢と日ロ関係の展望

日ロの信頼関係生む民間交流を12月に日ロ首脳会談が予定され、両国間関係の進展に注目が寄せられる中、「緊迫する北東アジア情勢と日ロ関係の展望」をテーマに第3セッションが行われました。同セッションで講演したのは、ロシア科学アカデミー主任研究員のウラジミール・ペトロフスキー氏と、ロシア経済開発省ディレクターのヴィクトル・ラズベギン氏。ペトロフスキー氏は政治的側面から、ラズベギン氏は北東アジアのインフラ整備に可能性について発題しました。ペトロフスキー氏は最初に、今年が日ソ共同宣言の調印から60周年、サンフランシスコ講和条約締結から65周年の記念の年に当たることに言及。北東アジアの国家間に存在する領土問題や安全保障問題などは、国際条約の解釈に起因していることを指摘しました。また、北方四島をめぐる領土問題についてペトロフスキー氏は、「両国にとって領土問題は聖域である」と述べ、ロシアでは領土問題と経済協力を別個の案件として扱っていると話しました。その上で、日ロの経済協力と平和大使らによる人と人との交流の必要性を強調しました。ラズベギン氏は、北東アジアを結ぶ交通、エネルギー、情報などのインフラ整備の可能性について発表しました。発表の中でラズベギン氏は、ベーリング海に橋を架けてユーラシア大陸と北米大陸を結ぶプロジェクト、サハリンと北海道を結ぶプロジェクト、日韓海底トンネルプロジェクト、について言及。また、北極海に光ファイバーを通してロンドンと東京を結ぶ情報インフラの整備についても紹介し、「インフラ整備は日本とロシアを連結するだけでなく、北東アジアを開発するためにも重要な要素になる」と述べました。またオセアニアや欧州で駐在経験のある元大使がコメントし、歴史や政治体制、経済体制など北東アジア情勢を俯瞰した上で、日ロ関係の展望について「両国に信頼感が十分に醸成されていなくとも、実利があり、関係性を発展できるならば、まずはビジネスパートナーとしての信頼関係の構築を目指すべきだ」と述べました。このほか、質疑応答の時間には、日ロ間の文化人交流を推進する受け皿の設置について提案がありました。

【ILC-Japan2016】仙台:「家庭」を基本単位とした地域社会と国づくり―人格教育・家庭再生による次世代育成―

「家庭再生」は国家的課題宮城県仙台市内の会場で10月30日、東北6県(宮城、青森、秋田、岩手、福島、山形)の平和大使協議会が共催して「ILC-Japan(日本国際指導者会議)2016 in 仙台」が開催され、県議会議員、大学教授、医療関係者、教育者など約130人が参加しました。テーマは「『家庭』を基本単位とした地域社会と国づくり―人格教育・家庭再生による次世代育成―」。県議会議員と市長の来賓挨拶に続いて行われたセッション1では、平和大使協議会の梶栗正義事務総長(=写真)が、「家庭再建こそ真の地方創生」と題して講演。日本が抱える少子化問題、若者の結婚率低下、子供の養育環境の悪化など、日本の家族の急激な変化を紹介しながら、「家族、家庭の価値」をもう一度見直すべき時が来ていると強調し、「家庭再生」を一家族の問題ではなく、国家的課題として取り組むべきと訴えました。セッション2では乳幼児期の精神発達などについて詳しい専門家が「子供たちの養育環境をどう改善するか」と題して講演を行い、自身の40年以上にわたる医療現場での体験から、「お母さんの心の中にお父さんがいること。互いの心の中に相手がいないと家族はつくれない」と語りました。また、明治時代の日本には、世界に例がない最高の子育ての文化と風土があったのに対し、戦後は経済発展の中で、「子は親」という次世代を育む子育ての本質が欠けてしまったために、国の未来を継ぐ子供たちが問題を抱えている状況を指摘し、本来的な夫婦と家族のあり方を取り戻す必要があると訴えかけました。2人の講演に続き、仙台市議会議員による「行政の取り組み現状報告」や、有識者によるグループディスカッションが行われました。

【ILC-Japan2016】京都:家庭の危機、日本の危機〜増殖する家庭破壊思想と克服〜

結婚観の転換と婚姻共同体強化のための法整備の必要性を議論京都市内の会場で9月18日、近畿・中部の4県(京都府・奈良県・三重県・滋賀県)の平和大使協議会の共催による「ILC-Japan (日本国際指導者会議)2016 in京都」が開催され、約140人が参加しました。テーマは「家庭の危機、日本の危機〜増殖する家庭破壊思想と克服〜」。昨年度は「家庭の危機と再生へのビジョン:少子化非常事態と日本の選択」をテーマに全国9カ都市で開催されましたが、今年度は各地でテーマを決定して開催されています。午前のセッションⅠでは、平和大使協議会の梶栗正義事務総長が「家庭再建こそ真の地方創生」と題して講演。2015年、「幸せな家族は幻想だ」と主張する下重暁子氏の著書「家族という病」がベストセラーになりましたが、梶栗事務総長は「家庭は、家族が愛の絆で結ばれた温かな居場所」という川上与志夫・帝塚山学園大学名誉教授の言葉を紹介しながら、家庭が社会の基本単位であり、人間らしさを形成する場であると述べました。また、日本が抱える少子化問題に触れ、「幸せな家庭を築くには、結婚観の転換が必要」と強調しました。午後のセッションⅡでは、麗澤大学の八木秀次教授が「制度としての婚姻を守る」と題した講演を行い、昨年4月の渋谷区同性パートナーシップ条例や6月の米連邦最高裁での「同性婚合法化」判決について言及しました。特に、渋谷区条例について同氏は「個別の具体的問題と一般原則を混同している」「憲法に抵触する可能性」「条例案の公開が不十分であり、手法が非民主的」の3つの問題点を指摘しました。最後に、同氏は憲法で「家族は社会の自然かつ基礎的な集団単位」「婚姻は両性の合意のみに基いて成立する」と規定されている点をあげながら、婚姻共同体を強化する法制度の検討が必要」との見解を示しました。講演後、有識者によるパネルディスカッションが行われ、地域活動を通して感じられた家庭のあり方や教育・子育てについての内容や、中高生を中心に「心を育てる性教育」を実践している内容が報告された。