【LIC 2016 in Japan】セッション3:緊迫する北東アジア情勢と日ロ関係の展望

日ロの信頼関係生む民間交流を


12月に日ロ首脳会談が予定され、両国間関係の進展に注目が寄せられる中、「緊迫する北東アジア情勢と日ロ関係の展望」をテーマに第3セッションが行われました。同セッションで講演したのは、ロシア科学アカデミー主任研究員のウラジミール・ペトロフスキー氏と、ロシア経済開発省ディレクターのヴィクトル・ラズベギン氏。ペトロフスキー氏は政治的側面から、ラズベギン氏は北東アジアのインフラ整備に可能性について発題しました。

ペトロフスキー氏は最初に、今年が日ソ共同宣言の調印から60周年、サンフランシスコ講和条約締結から65周年の記念の年に当たることに言及。北東アジアの国家間に存在する領土問題や安全保障問題などは、国際条約の解釈に起因していることを指摘しました。また、北方四島をめぐる領土問題についてペトロフスキー氏は、「両国にとって領土問題は聖域である」と述べ、ロシアでは領土問題と経済協力を別個の案件として扱っていると話しました。その上で、日ロの経済協力と平和大使らによる人と人との交流の必要性を強調しました。

ラズベギン氏は、北東アジアを結ぶ交通、エネルギー、情報などのインフラ整備の可能性について発表しました。発表の中でラズベギン氏は、ベーリング海に橋を架けてユーラシア大陸と北米大陸を結ぶプロジェクト、サハリンと北海道を結ぶプロジェクト、日韓海底トンネルプロジェクト、について言及。また、北極海に光ファイバーを通してロンドンと東京を結ぶ情報インフラの整備についても紹介し、「インフラ整備は日本とロシアを連結するだけでなく、北東アジアを開発するためにも重要な要素になる」と述べました。

またオセアニアや欧州で駐在経験のある元大使がコメントし、歴史や政治体制、経済体制など北東アジア情勢を俯瞰した上で、日ロ関係の展望について「両国に信頼感が十分に醸成されていなくとも、実利があり、関係性を発展できるならば、まずはビジネスパートナーとしての信頼関係の構築を目指すべきだ」と述べました。

このほか、質疑応答の時間には、日ロ間の文化人交流を推進する受け皿の設置について提案がありました。

UPF国際会議レポート